こんにちは。
心理セラピスト知恵です。
「優しすぎて、生きづらい」。
この記事は、優しいゆえに生きづらさを抱えているあなたに、
- どうして優しい人は生きづらさを抱えるのか
- どうしたら生きづらさが減っていくのか?
ということをお届けしたいと思います。
優しすぎて生きづらいのはなぜ?
どんな時も相手のことを考え、優しく接するあなた。
本来それは素晴らしい素質だし、そんなあなたの存在に救われ、癒やされている人はたくさんいるでしょう。
だけれども、当の本人が自らの優しさによって「生きづらさ」を感じているなんて、とても苦しいことですよね…。
では、なぜ優しすぎる人が生きづらさを感じるのでしょうか?
以下のような理由があります。
①優しさゆえに、気をつかいすぎて疲れる
優しい人というのは、周囲の人の状況を察知する能力に優れています。
そして相手のことを考えた言動を先回りして行うことができます。
例えば、会社でいつもより元気がない人を見かけると、すぐに察知して自分にできるあらゆることを先回りして考え、行動します。
それは素晴らしい能力です。
けれども、気づかぬうちに相手のことばかりを優先していて、自分の本心・本音・本当の気持ちを押し殺してしまうという現実が作り出されます。
そのため、結果的に気を使いすぎてぐったり疲れてしまうのです。
②優しさと共感力ゆえに、他人の感情に巻き込まれてしまう
上記のような優しさ・相手を思いやる共感力は、相手の気分に巻き込まれ、振り回されてしまう原因にもなります。
これを心理学用語では「バウンダリー(境界線)」というのですが、優しく繊細な人は、バウンダリーを引くのが極めて苦手な人が多いのです。
イメージとしては、自分の体のまわりにバリアを張っているイメージです。
健全な状態では、それぞれに適切なバリアがあるのですが、優しくて共感力の強い人は、このバリアがもろく、自分を守れず、相手の感情に巻き込まれていってしまうのです。
日本人はこのバリア(バウンダリー)の感覚が弱いと言われていますが、
特に共感力の高いエンパスといった気質の人にとっては、バウンダリーは大きな課題です。
私自身がHSP/エンパスで、かつて「バウンダリーを引く」という感覚が皆無で、あらゆる他人の感情に巻き込まれていました。相手の感情にすぐに同化してしまうので、「この悲しみは相手のものなのか?私のものなのか?」わからなくなることもしばしば。
わけもなくいろいろな感情が飛び込んできて、アップダウンの激しい自分は「とても生きづらいなあ」と感じたものです。
③他人を優先するため、心も体もいつも緊張している
①と少し似ているのですが、優しい人は「同調性」がとても高いです。
幼少期から親やまわりの人の顔色を伺い、相手のしてほしいことを察して「いい子」をやってきたので、自分のニーズを相手に伝えることをほとんでやってきていません。
自分のニーズを伝えることが、場の空気を壊すのではないか、相手を傷つけるのではないか、波風を立ててしまうのではないか、と思い込んでしまっているのです。
けれども、表面上は「いい子」をしていても、自分のほんとうのニーズを我慢しているのですから、内心は不満がたまっています。
そして、体も心も、実はいつも緊張状態が続いているのです。
これでは、生きづらく感じるのも当然ですよね。
どうしたら優しい人は生きづらさを克服できるのか?
では、どうしたら優しい人は「生きづらさ」を克服することができるのでしょうか。
私は3つのポイントに取り組むことが近道なのではないかと考えます。
①自分の優しさ・繊細さの気質を知り、認める。
優しくて繊細なあなた。
最近ではすごくメジャーになってきた概念に「HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン」というものがあります。
HSPとは、”視覚や聴覚などの感覚が敏感で、非常に感受性が豊かといった特徴を生得的に持っている人”のことです。
自分がそういった気質なんだと認め、その性質を知ることは、自分への優しさになります。
本来は「優しい」という素晴らしい気質が、「生きづらい」に繋がるということは、
実は「他人にばかり優しくて、一番大切な存在である自分には優しくしていない」状態になっているから、苦しいのだと私は思うのです。
世界でたったひとりの、私という存在。
この生きづらさという苦しみは、「もっと私を大事にしたい」という、あなたの魂からのメッセージなのです。
②バウンダリーを意識する。
また、優しく繊細な人が苦手な「バウンダリー(境界線)」を意識することも、生きづらさ克服の大きな一歩です。
HSPや、エンパスといった”共感力が高く、他人の感情を自分の感情のように感じてしまうといった体質の人”は、人の感情に過剰に影響を受けやすいのです。
相手との間に適切なバウンダリーを引くことを意識するだけで、他人の感情に巻き込まれなくなり、「あなたはあなた、私は私」というスタンスであなたのままでいられます。
この状態を意識できるようになれば、ずいぶんと楽になってくると思います。
③ビリーフをリセットする。
優しくて繊細な人の性格の現れ方は、両親の存在や幼少期からの生育環境で決まります。
特に優しい人は、子供の頃から「いい子」として一生懸命生きてきたのではないでしょうか。
生きづらさが生まれた始まりは、気質に加えてほぼほぼ、幼少期の親との関係にできた傷に起因します。
以前書いたこちらの記事もぜひ読んでいただきたいのですが、
幼少期にあなたが感じた痛み・傷が「インナーチャイルド」として大人になった今も残っており、
その傷が反応とともに顔を出します。
またその時に同時に出来上がった「ビリーフ(思い込み)」が、あなたの行動を抑圧します。
例えば、生きづらさを感じる原因③で述べた「自分のニーズを伝えることが、場の空気を壊すのではないか、相手を傷つけるのではないか、波風を立ててしまうのではないか」というのが、ビリーフ(思い込み)です。
これは例えば、小さな頃にお母さんに描いた絵を見てほしくて見せにいったのに、お母さんは家事や妹のお世話で忙しく疲れていて、ちょっと面倒くさそうな顔をしたとします。
繊細で優しく、感受性の強い子供はその一瞬の出来事で傷つき、「あぁ、お母さんは私の欲しいものを伝えると迷惑なんだ」という思い込みを作ってしまうのです。
そして問題は、その「感覚」を大人になった今も持ち越し、友人や同僚、あらゆる人との関係において「自分のニーズを伝えると相手の迷惑になる」という思い込みを作動し続けて、「だから伝えない」という選択をしてしまうことです。
こうして、相手を優先し、自分のニーズを伝えないことで、あなたは本当に欲しいものを得ることができず、どんどん生きづらくなっているのです。
しかし、私たちはもう大人なので、こういった思い込みを癒やしていくことができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
優しい人が生きづらい理由3つと、優しい人が生きづらさを克服する方法を3つお伝えしました。
今日から、少しずつ。「自分に優しく」することに、取り組むことで、数年後には見違えるほど生きやすくなっているあなたがいるはずです。
私も、引き続き自分を見つめ、癒やし続けたいと思います。
ともに、がんばりましょうね(^ν^)