心理セラピスト/エニアグラムファシリテーターのちえです。
これまで、多くの方のエニアグラムタイプを判断する探究リーディングセッションを行ってきました。
単なる性格分類・カテゴリー分けではないエニアグラムの奥深さを、毎回痛感し胸の奥が熱くなります。
過去にタイプ3・タイプ6と記事を書いてきましたが、今回はタイプ8。
関連記事:タイプ6は平凡?その素晴らしきエッセンスを解説します。
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タイプに関する記事というのは、私の場合そのタイプのエッセンスに私自身が浸かって、その感覚に重ならないと書けません。
ある種の憑依?笑
私自身、ウィングとしてタイプ8のエッセンスを強く持っていますし、要素も揃ってきたので
よし!!8を書こう!!ッシャーーーーーーーーーーーーー!という気合い満点で書いてみています。
実は、エニアグラム探究リーディングセッションは、タイプ8の方からのお申込みが圧倒的に少ないです。
それは、やはり【力・強さ】というエッセンスによるところもあると思います。
エネルギーもとても特徴的なので、タイプ8の方はタイプに迷いにくい(から判定セッションがさほど必要でない)ということもあると思います。
どのタイプの方も、自分のタイプのことを受け入れがたい・もしくは嫌うことは多々あるのですが
タイプ8の方もそうなのではないかと推測しています。
そしてその世界観は、なかなかに壮絶です。
強いエネルギーを持っているので、他のタイプからはわりと怖い存在に見えるかもしれませんね。
だけどね、私は8の方のエッセンスが大好きなんです。
今日はそのあたり、ありったけの愛をこめて書いてみます。
それでは、いってみましょう。
ガッツセンターの改革者
タイプ8の人たちは、私たちのお伝えするエニアグラムでは「ガッツセンター」になります。
本能や直感に優れ、丹田に重心があってどっしりとしています。
ガッツセンターは自分と世界の間の境界線が明確にあります。
いわゆる「テリトリー」という感覚ですね。
また、根源感情が「怒り」です。
これは野生動物を想像するとわかりますが「怒り」というのは動物にとってもっとも原始的で大切なものです。
そしてその中でもタイプ8はエネルギーが外に向かいますので、感じた怒りをストレートに表現します。
エニアグラムの9つのエッセンス【正しさ/愛・つながり/成功/独特さ/調和/楽しさ/力・強さ/平和】はみんなそれぞれに持っているもので、必要なものです。
タイプ8の【力・強さ】というのは行動の星である地球においてものすごく現実化の力がある素晴らしきもの。
けれどこの「力・強さ」というエッセンスは反転したときに一番わかりやすく善悪のジャッジがつけられやすいばかりに、敬遠されがちなエネルギー感にもなりえてしまいます。
しかし、ガッツセンターであるタイプ8の人たちの根源の動機はいつもシンプル。
素朴で正直です。損得勘定による計算やドロドロした感情コントロールもありません。
腹を割って話ができれば、とても心強い存在なのです。
タイプ8のアーティスト
エニアグラムのタイプのエッセンスというのは、どうしたって魅力として溢れ出ます。
映画や歌やアートなど、クリエイティブなものならなおさら、現れます。
私は、岡本太郎さんはタイプ8の芸術家だと思っています。
ネットで検索すると、岡本太郎さんはタイプ4だと書かれていることが多いようですが
もう全然お話にならないと、この人の素晴らしきエッセンスを全然わかっていないな!と怒りが沸いてきますね。(怒りの毒舌モードちえ)
「芸術は爆発だ」という名言もそのエッセンスを如実に表していますが、タイプ8の方だろうなと確信したきっかけは、以前夫と行った岡本太郎美術館でした。
数々の作品の前で圧倒されると同時に、描いているものはすべて力強い体感覚のエネルギーだなと感じたのです。
そして、展覧会の会場の解説に
「幼少期はひどく暴れん坊だったため、いくつかの学校を転校。…当時の岡本は、他の児童への態度に裏表がある先生がいれば、ボイコットをしたこともあったようです」
と書いてあるのを見て、思わずにんまり。かっこいい!!!
しかも、著書「自分の中に毒を持て」によると、詳細は小学校1年生で4つの学校を転校していたというのです。
そのころを振り返り、太郎さんは「出る杭は打たれる」ということわざに言いようのないドラマを感じていたそうです。
さんざん打たれてきたけれど、「出るのは固くて冷たい釘でなく、純粋な人間の、純粋な情熱の炎だ」と言っています。
出る杭として、純粋な情熱の炎を、絶やすことなく、折れることなく、まっすぐ燃やし続けてきたからこそ、
岡本太郎という芸術家として世界に名を馳せたのです。
「自分の中に毒を持て」は、そんな岡本太郎さんのタイプ8エッセンスが100%、いや1000%出ているのですが、
冒頭からたった4ページ読んだだけでも、「挑む」「敵」「いのちの筋」という言葉が並び、
「闘う」という単語はなんと5回も出てきます。
そう、タイプ8の方の世界観は、【闘い】なのです。
タイプ8の世界観=闘い
私は一昨年にLPL養成講座のコンステレーションという家族のワークで、あるクライアントさんのおじいさま役をさせてもらいました。
私はいちよ女だけど(笑)、おじいちゃんというその家庭の中で最もパワフルな役どころとして立たせてもらったんですね。
そのおじいちゃんが、タイプ8の方でした。
私は、コンステレーションの間中、タイプ8の方のエッセンスを、おじいちゃんを通して体感させてもらいました。
タイプ8の方の世界観は、闘い。
力・強さというエッセンスで生まれ落ちたゆえに、人生は闘いである、勝ち負けの世界であり、そんないばらの道で自分と、大切な人のためになんとしてでも生き残り、おのれの命を使い切る。
そういう世界観で生きているんです。
そんな世界で生きる自分を、想像したことはありますか?
私はこの代役を通して、それがどれだけに酷なことで、どれだけにパワーがいることで、
どれだけ理解してもらえず、悪者になることも受けれないといけないかを、思い知りました。
腹の底から、ものすごく怒りがわいてきます。
自分の力でなんとかしないといけない。この体から出しても出しても有り余るエネルギー。
けれど、うまく言葉にできないし、どうやって表現したらいいかもわからない。
体感覚で湧き上がるものを、素直に出しているだけなのに、なぜか怖がれる。結局自分が悪者かのようになってしまう。
私はそんなに怖いか?そんなに悪か?
悔しい。悲しい。やるせない。寂しい。切ない。だけど闘うしかない。自分も大切な家族も、絶対に守る。いのちを生ききる。絶対に逃げない!この命を燃やしきってやる!!!!!
そのエッセンスに、私は泣けて仕方ありませんでした。
代役をさせてもらえたことで、私の中に確かにある愛おしい8のエッセンスを、迎え入れてあげることができました。
おじいちゃんありがとう。クライアントさんも私をおじいちゃんに選んでくれてありがとう。(許可は頂いて書いています。)
タイプ8はバランスタイプではなく改革者タイプですので、強い信念があります。
岡本太郎さんの本にも「出る杭になれ」という表現がありますが、打たれても叩かれても、「なんのその」と、
全体に染まることを良しとせず立ち向かっていきます。
この世界には、「力・強さ」で改革していくエッセンスが、必要なのです。
こちらの動画もとても印象的でぜひ見ていただきたいのですが
北朝鮮の人権問題に取り組んでいる川崎栄子さんが自身の体験を語っている動画です。
彼女は、地上の楽園とされる北朝鮮に騙されて渡った後、現地での苦労や飢餓が蔓延する地獄のような状況に直面しました。
彼女は脱北を決意し、命がけの逃亡を試み、43年ぶりに日本へ帰国しました。
この女性もタイプ8の方だと思われます。
タイプ8はお隣が7でヘッドセンターであるため、ヘッドを使うことは容易で、頭の良い人も多いです。
戦略としてヘッドを使いながら現実を動かしていくやり手が多い。脱北時のエピソードは「すごい…」とうなってしまいますね。
もし私がこの人のような壮絶な人生だったら…と思うとすくんでしまいます。
生きる力、信念の強さが圧倒的。
とてつもなく壮絶で偉大な「力・強さ」を感じると思いませんか?
そして数字が8と大きいので、捉える視野も大きくなっていきます。
彼女の願いは、例えば自分の命の安全とか、家族がまた一緒に暮らすこと(もちろんそれも切実に望んでいらっしゃいます)のみならず、
「南北の統一」です。
この地球規模の視野。世界平和への願い。挑戦する力。
これをタイプ8の方の美質と言わずしてなんと言えるでしょうか。
世界で初めて金正恩を相手に裁判を仕掛けたことの勇気、強さ。圧倒的な聡明さ。
はあ、かっこいい…。
日々進化する私たち
リアルなタイプ8像をお伝えしてきましたが、もうひとつ。
エニアグラムの本に書かれているタイプの「人物像」というのは30年前のものと言われています。
時代もかわり、私たち人間も日々進化しています。
本に書かれているタイプの人物像にはズレが出てきているのも事実です。
また、タイプ8であってもエネルギーの使い方によって見え方がけっこう異なります。
これは師匠ゆかさんに教えてもらい、私もすごく納得しているのですが
お笑い芸人の出川哲郎さんもタイプ8の方です。(どこで判断したかは今後講座やWS等でお伝えしていきますね💛)
出川さんが、まだ売れる前のエピソードとして松村邦洋さんとのこんなことを話しています。
これは出川さんの鉄板エピソードなのだそうですが、何回見てもぐっときちゃいます。笑
要約すると
松村邦洋さんが笑っていいともの「テレフォンショッキング」に初出演した時に
途中までトークはめちゃくちゃウケていたのに、突然出川哲郎さんのモノマネをして、出川哲郎さんは当時まだ無名だったのでお客さんはシーンとして全然ウケなかった、と。
その放送を生で見ていた出川さんは「バカじゃねえの、これまでせっかくウケてたのに、わざわざ誰も知らない俺のモノマネなんかなんでやるんだよ」と思い、放送後松村さんに電話をしたそうです。
出川さんは「まっちゃんふざけんな、何やってんだよ。一番大勝負のテレフォンショッキングに、なんで誰も知らない俺のモノマネなんかしたんだよ」と言ったら
まっちゃんが「出川さん。僕は出川さんのモノマネはもう完璧にできるんです。あとは…出川さんの売れるのを待つだけですから。」と言ってくれたそうです。
それを話す出川さんはうるっと涙がにじんでいます。
とってもじーんとしますよね。
これ、この出川さんの「じーん」としたポイント、この話をピックアップした出川さんのエッセンスが出ていると思いませんか?
松村さんの言葉である
「出川さん。僕は出川さんのモノマネはもう完璧にできるんです。あとは出川さんの売れるのを待つだけですから」
という言葉を、出川さんは【力・強さ】というエッセンスのフィルターを通してこう受け取ったんじゃないかな、と私は感じるんです。↓
「出川さん、舞台は用意しました。あとは出川さんの『実力』を、勝ち上がってくる『力』を、信じて待っていますから」と。
は~。涙
出川さんと言えば、「出川イングリッシュ」での奮闘も魅力です。ガッツがありますよね。
以上見てきたように、この世界を通して「力・強さ」を伝えていくことは、
出る杭として打たれることを極端に恐れて行動しない、恐れに呑まれがちな私たちに希望と光を見せてくれる尊いエッセンスです。
最後に、岡本太郎さんの著書から、ものすごく力強く背中を押してもらえる言葉を抜粋して終わりにしますね。
いのちを賭けて運命と対決するのだ。
そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。
己が最大の味方であり、また敵なのである。
今までは、謙虚であることが世渡りの第一歩みたいなものと考えられてきた。
だがそれは非常に傲慢だとは言えないが、不遜だと思う。
というのは、自分はどのくらいの能力があり、どのくらいのことをすべき器であるかということを見極めようとしないで、つまり、自分のことが自分でわからないのに、勝手に自分はダメだと見切り、安全な道をとってしまう。
仮に親の顔色をうかがって就職し、安定を選ぶとしようか。が、それが青年自身の人生なんだろうか。
俺は生きた!と言える人生になるだろうか。そうじゃないだろう。
死と対面することこそが、いのちを燃やす真の喜びじゃないか。
画家にしても才能があるから絵を描いているんだろうとか、情熱があるから行動できるんだろうとか人は言うが、そうじゃない。 逆だ。何かをやろうと決意するから意志もエネルギーもふき出してくる。何も行動しないでいては意志なんてものありゃしない。 自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それだけでいいんだ。また、それしかないんだ。
タイプ8の素晴らしきエッセンスが伝わったでしょうか。
少しでも伝わっていると嬉しいです。
それではまた来週💛