エニアグラムの講座やコミュニティ、また私たちのエニアグラム探求セッションを通じて、たくさんのタイプの方を見てきました。
知れば知るほど、エニアグラムは単なる性格分類・カテゴリー分けではないことを痛感しています。
前回、タイプ3について自分の中で突き動かされるようなまさに衝動で書いたのですが、それを世に放ったあと、
「次はタイプ6について書きなさい」と自分の中のどこからか言われているのを感じていました。(って書くと怪しいしスピリチュアルマウントみたいで嫌な感じですが💦)
なのでゆっくりゆっくり、自分の中で意図を立て始めたらパーツが自然と集まってきて、いよいよ書ける感じになってきたので、今日はタイプ6について、書いてみたいなと思います。
関連記事:タイプ3「成功」への誤解。その素晴らしきエッセンスを解説します。
私たち人間は、生きるために必要な9つのエネルギー・力をどれか1つ与えられて生まれてきます。
タイプ6の人に与えられたエネルギー・力は、【調和】。別の言い方では【信頼】【安全】などと表現されたりします。
どのタイプの方でもそういう傾向にありますが、ご自身がタイプ6であることを受け入れることに拒否反応がある方は多いです。
さらに言うなら、この【調和】というエネルギー・力ゆえにタイプ6の方は自分のタイプに非常に迷いやすいし、納得感も薄い方が多いと思います。
だからこそ、燃えたぎる私がいます。むん!
今日は、タイプ6の人の持つエッセンスについて、熱く熱く語りますよd( ̄  ̄)
覚悟してくださいね!笑
***
ではタイプ6の人がどんなふうに「タイプ6」のことを捉える傾向にあるのか、タイプ6の方がタイプ6のイメージを話しているのをいろんなところで聞いたまとめとしては、
「【調和】とか【安全】って、なんか平凡でつまらなすぎる。もっと他のタイプみたいな際立った特徴があってほしいし、そんな自分でありたい」といったことを概ね仰います。そしてタイプ6と言われると平凡なレッテルを貼られているようで悲しいし、エニアグラム自体に不信感と反発心を抱き、悩んでしまうのです。
では、タイプ6の方になにが起きているのか?
私の独断と偏見で分析してみますと…
①「ヘッドセンター」への誤解
②バランスタイプゆえの苦しさ
③「みんなと一緒が安心」という定義への誤解
があるのかなと思っています。
順番に解説しますね。
①ヘッドセンターへの誤解
私たちのお伝えするエニアグラムでは、「センター」というものを何より大事にします。
人間は頭、心、体の3つの部位を使って生きているのですが、どれも万遍なく使えたら1番良いのですがなかなかそうはいかず、1番得意な部位をセンターとして定めてそこに頼って生きています。
頭を1番得意として使っているのがヘッドセンターのタイプ5.6.7。
心を1番得意として使っているのがハートセンターのタイプ2.3.4。
体を1番得意として使っているのがガッツセンターのタイプ8.9.1。
タイプ6は、頭が1番得意なヘッドセンターになります。
さて、ここでまず誤解が起きてくるのかな、という点が「ヘッドセンター」というネーミングです。
自分の内面に意識を向けている人、また心のことを学んで知識がある人は
「現代人は思考(マインド)ばかり使って、『感じる』ことが疎かになっている」ということを知っています。
だから、自分を見つめるのには思考をとめ、感じることが大事なんだ、という価値観に自然となっていきますよね。
それはそれで本当にその通りだと私も思います。私自身が自分のネガティブ感情を感じにくかったことが、生きづらさの原因だったと今はわかるからです。
しかし。この心理学の文脈で語られるどちらかというとネガティブエネルギーの乗った「思考(マインド)」と、エニアグラムで言っている人間が使っている3つの軸「頭」「心」「体」というのは、今日はいったん別物だと考えて頂きたいのです。(もちろん心理学でも思考を悪者にしているというわけではないですけどね。)
頭も、心も、体も、どれも同等に必要で素晴らしい機能です。
むしろこの3つがあることが、地球で人間として生きる醍醐味だとも言えます。
ヘッドが使えないと、本当に大変なことになります。
例えばガッツセンターは体の感覚・直感で生きているので、しばしばヘッドを使えていません。そうすると「とりあえずGO!」と言って体当たりで突き進んで、ものすごく痛い目に遭ったりします。
また例えばハートセンターは心を軸としているので、しばしばヘッドを使えていません。そうすると「きぃ~~~!」となって心が暴走してしまい、ものすごく痛い目に遭ったりしているのです。
その点、ヘッドセンターの人たちは常に「状況」に焦点が当たっているので、とてもニュートラルです。
まわりから見て「えぇぇ!?!?」というような行動や反応は、まずしないでしょう。
※もちろん、ヘッドセンターの人でも健全度が不健全レベルに下がると、暴走したり突拍子もないような行動や言動をしたりします。
だからヘッドが得意な軸として使えるということは素晴らしいことなのだ、ということをまずはお伝えしたいです。
② バランスタイプゆえの苦しさ
また、タイプ6の人は、バランスタイプでもあります。
バランスタイプとは、エニアグラム図の正三角形で繋がっている3.6.9の人たちのこと。
バランスタイプの人たちは、生まれながらにして人は他者と共存していく生き物であり、他者とバランスをとって生きていくことが大切である、という考え方を自然に持っている人たちのこと。
全体のバランスを取れるという意味では素晴らしい気質なのですが、それゆえに、本来持っているセンターの力が弱まるという弱点もあるのです。
だからタイプ6はヘッドセンターなのに、バランスタイプでバランスを取るために力が抑えられて問題が起きたときに他のタイプ(5.7)に比べてヘッドが使えなくなる(パニックになる)のです。
このパニックになる、というのは根源感情が「不安」であることに起因します。
ヘッドセンターの根源感情は「不安」です。タイプ6だけとりわけ不安を感じているように捉えられがちですが、実はタイプ5も7もベースには不安があるんですよね。この不安を払拭するために、ヘッドセンターは「頭」を使うのです。
(誤解のないように言うと、1から9まで生きている限りみんな「不安」はあります。当然ですが他のセンターが不安を感じていないわけでは決してありません。)
根源的感情が不安であり、それに対応するためにヘッドを使うわけですが、何か大きな問題が起きたときにもタイプ5と7はヘッドを使い冷静に対処することができますが、タイプ6はハートがうずきます。
しかしこれは、エニアグラム図を見て頂くとよくわかりますが、タイプ6は唯一ヘッドセンターの中でタイプ3の「ハートセンター」に繋がっているんですね。それゆえに、ヘッドセンターだけれどもハートがぐらぐら揺れるんです。
そう。ヘッドが基軸だけれども、ハートが揺れるというのが、タイプ6の人の苦しみでもあるのです。
けれども、それは苦しみばかりなのでしょうか?
もちろん答えはNOです。
逆の側面から見ると一目瞭然ですが、タイプ6の人はハートセンターに繋がっている分、とびきりハートフルです。
あったかくて、やわらかなBeingを私はタイプ6の人たちからいつも感じます。
自分史を伺っていると特に感じるのは、タイプ6の人は女性だけでなく男性も感性豊かで優しくて涙もろいこと。「男は泣くな」と言われた経験から学び、ご自身の涙もろさに×(バツ)をつけて、クールで強い男性になろうとしている男性はタイプ6に非常に多いように感じますが、本来はとってもハートフル。
それが、タイプ6の人たちなのです。
③「みんなと一緒が安心」という定義への誤解
タイプ6の人はタイプ判断に迷いやすいと書きましたが、その理由は上記に書いてきた「ヘッドセンター」「バランスタイプ」「エッセンスが調和」であることが大きな理由ではないかと私は感じています。
特に「調和」というエッセンスは、場全体のバランスを取ることを「自然と」やってしまうので、一見「平凡」で「つまらない」という解釈になってしまうのだと思うのですが、
各タイプの美質というのは自分では当たり前の感覚ゆえに気づけないんですね。
タイプ6の調和という素晴らしいバランス感覚は、他の8タイプの人たちは頑張っても簡単に真似できるものでは決してないのです。
また、タイプ6を表す表現として「みんなと一緒(であることで安心)」というものがあり、この表現に抵抗を覚える人も多いと思います。
日本の国家エニアグラム自体がタイプ6的だと言われていますので、よく国民性を表現するたとえ話で、
ある豪華客船が航海の最中に沈みだし、船長は乗客たちに急いで船からみんなに脱出してもらうように(海に飛び込むように)指示しなければならない、という状況において、それぞれの外国人客に対して
アメリカ人には→「飛び込めばあなたは英雄ですよ」と言えばOKで、
イタリア人には→「飛び込むと女性にもてますよ」と言えばOKで、
日本人には→「みんな飛び込んでますよ」と言えばOK、といったジョークがあります。
なんとなくこの表現って、シニカルなニュアンスが含まれている感じがしますが、
「みんなと一緒」を別の側面から見てみたいと思います。
例えば、これはエニアグラムを日本に伝えた第一人者鈴木秀子さんがタイプ6の人のことを説明するときの言葉で、私ははじめに聞いた時に泣いてしまったのですが、それはタイプ6の人は「最後まで手綱を離さない人」だということ。
前述と同じ「豪華客船に乗っている」という設定で、私にはこういうイメージが浮かびました。
ある豪華客船が航海の途中、嵐に巻き込まれ、乗客のひとりが海に投げ出されてしまいました。
その時、最後までその人の命綱を離さない人、それがタイプ6の人たちだった。
つまり、「みんなと一緒」というのは、同じ船に乗っている「仲間」から脱落しそうな人がいたとき、絶対にその人を見捨てない、ということなのです。
あーーやっぱり書いてて涙出てくる。困ったよ。もう。
私はこれこそが「みんな一緒」の真の意味合いで、タイプ6の美質で、「誰ひとり、取り残さない」という大切な人を守る強さなのだと思うんです。
かっこよくないですか?
あーかっこいい。(涙)
タイプ6のリーダーシップ
それから、タイプ6の人の特徴として、「みんなと一緒」と紐づくのですが「自分だけ幸せでも、全然嬉しくない」という感覚があります。これは、私がタイプ6の人たちに聞いたところ100発100中で「そうだ」と言います。
これも、タイプ6の人が持つ特有のものすごい美質なんですね。
自分だけの成果とか、名誉とか、そういうものには興味がない。自分と、そのまわりの人たちが幸せであることがとても大切、だということ。
だから、タイプ6の人のリーダーシップは、カリスマ的なリーダー・パワフルなリーダー、みたいなものとは違います。
そしてそれを1人でするのとも、違う。
「みんなと一緒」に行動するということの凄さを私がすごく感じたのが、先日まで行われていたサッカーワールドカップです。
(ちなみに私はスポーツに恐ろしいほど疎く、サッカーのことも何もわかりません💦なんかズレてること書いてても、大目に見て頂けるとありがたいです。)
さきほども書いたように日本の国家エニアグラムは6と言われています。
今回の大会を通して、日本の(タイプ6的エッセンスをまとった)素晴らしさを何度も感じました。
例えば、試合後のサポーターのごみ拾い。
【W杯】日本サポーターの美化精神「衝動は何?」 ゴミ拾いに海外脚光、世界と比較「“綺麗好き”を行動に移す」
日本代表の選手たちの、試合後の振る舞いも。
日本代表、失意の敗退後もロッカー清掃 折り鶴とともに「ありがとう!」の置手紙
ふたつとも、勝ち負けという結果だけではない「大切なこと」を行動で示している、日本の良きリーダーシップ、タイプ6的リーダーシップをすごく感じました。
実際のところはわからないけれど、ネットの情報を見る限り、それは世界に衝撃とともに影響を与えているようです。とても誇らしいです。
何か派手なパフォーマンスを通して、というわけではなく、むしろ地味なことなんだけれども、本当に大切なことは何か、ということを伝えている、とっても霊性の高い日本人の気質を感じますよね。
それからなんといっても、森保監督ですね。
今回のチームを作り上げた森保監督は、タイプ6の方で間違いないだろうと私は感じています。
特にFIFA公式がinstagramやTwitterにUPしたこの画像は、象徴的で胸を打つものがあります。
😢 #日本代表 pic.twitter.com/yHjywOdqml
— FIFAワールドカップ 🏆 (@FIFAWorldCup_JP) December 5, 2022
伝わるかなあ、この2枚の写真から溢れ出る、タイプ6のエッセンス。美質。エネルギーの色合い。
2014年に出版された森保監督の著書「プロサッカー監督の仕事 非カリスマ型マネジメントの極意」も検証してみたのですが、タイプ6の美質がよく伝わる言葉がたくさん出てきます。
すべての試合を勝つつもりで戦っていますし、選手たちには「絶対に勝とう」と言葉をかけてピッチに送り出します。ただ、大前提として、結果はどうあれ自分たちが持っている力を振りしぼったかどうかを自問自答し、胸を張って「力を出し切った」と振り返れるような試合をしなければいけないと思っています。
たとえ結果として負けてしまったとしても、「今日は負けたけど、自分たちの力を出し切ったのだから仕方がない」、そう思えるか。自分たちが最後まで走り抜く。結果は保証できなくても、それだけはみなさんに約束できるはずです。
(自身の選手時代)派手なプレーはできなくても、チームの歯車のひとつとして、チームが機能するための潤滑油になれればいいと考えていました。
僕の中では、試合に勝って、チームがうまく回っているときには、自分が目立つ必要はないと思っています。それは現役時代のときも同じです。苦しいときにこそ、チームにとって必要なことをプレーで示し、言葉で伝えられる。そういう選手になりたいという思いで、ずっとやってきました。
サッカーに限らず、プロスポーツには、他の人にはできないようなプレーで華麗さを感じてもらうというエンターテインメントの要素があります。しかし、僕はプレーを観てくれる人に「勇気」や「元気」を与えることも、プロスポーツの大きな役割だと思っています。
選手にプレッシャーをかけることでいいパフォーマンスを引き出すやり方もあると思いますが、僕は基本的に選手のプレッシャーをどう取り除いてあげるかということの方が指導者の役割として大きいと考えています。
「結果」ではなく、その「プロセス」、そしてそこにどんな「想い」を注いでいるか、そこに焦点が当たっているタイプ6らしさがよく伝わってきます。
また、決して「俺が俺が」というエネルギーはなく、自身が黒子になることを厭わない感覚。
(なんてったって本のタイトルが)「非カリスマ型マネジメントの極意」ですもの。(*^^*))
「みなさんに約束」という表現からわかるように、誠実さと、忠誠と、責任感。
そしてタイプ6の最高ステート「勇敢な英雄」を彷彿とさせる、「勇気を与えることが役割」という在り方。
「みんなで」「チームで」成し遂げることの素晴らしさを、教えてくれていますね。
逆にタイプ6の方たちがこの素晴らしい美質を否定して、「あの人のように自分も一人でみんなを引っ張るようにカリスマ的に何かを成し遂げたり、他を引っ張る強いリーダーにならなくては」と考えると、本質からずれていきます。
私はタイプ6の方たちの自分史を聴いていていつも感動するのは、
自分が大切に思う人や、大切に想う場のためになら、とんでもなく勇敢になり、絶大なサポートをするエネルギーが沸いてくることです。
そのエネルギーの大きさ強さたるや、とても真似できません。
この時の、誰かや何かのために湧き出てくるパワーこそ、タイプ6の人の持つ源泉であること。
ぜひそれを、誇りに思ってほしいなと思っています。
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タイプ6の素晴らしさ、伝わったでしょうか??
もし少しでも伝わったなら、とても嬉しいなと思います( ◠‿◠ )
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私が心のことを学んだ「LPL養成講座」のマスターコースにて夫婦でエニアグラムのコースを担当することになりました!
LPL卒業生のみなさま、ぜひぜひご参加ください!
エニアグラムを教えている人はたくさんいますが、LPLで学んだからこそ一段深いところからお伝えできる講座になります。
講師の明美ちゃんと先日打ち合わせをして、日本で誰もやっていないワークをやろうね!と盛り上がりました(*^^*)
奥深く楽しいエニアグラムの世界を、ぜひ一緒に味わいましょう*
興味のある方はメッセージください★